バルトーク晩年の悲劇(アガサ・ファセット著)
亡命の現代史というシリーズの第6巻目が本書、みすず書房1973年に刊行されている。
本書には、著者が直接バルトークから会話したり聞いたりした「言葉」が、あちらこちらで発見できる。
大変失礼だが、本書全体の構成や文書は余り好きになれないが、その中でバルトーク自体の言葉は、光り輝いている。
バルトークの晩年の1940年から死亡した1945年までは、アメリカに亡命している。
しかし、病気にによりアメリカで病没したことが悲劇なのか、それとも、故国ハンガリーがナチスに侵略されたのが悲劇なのか(これは、1945年には明らかに終戦になっている)?
バルトークの言葉は、特にそれが不幸だとも思われない、何か慫慂としてその運命を受け入れているようにも思える。
逆に、著者の方が、彼の言葉とは別の価値観を勝手に作り上げてしまっているようにも思える。
本書はそのような、不思議な本であった。
バルトークの言葉には本質的であり、説得力があるが、全体の構成はそれを無理矢理壊そうとしているように思えた。
本書には、著者が直接バルトークから会話したり聞いたりした「言葉」が、あちらこちらで発見できる。
大変失礼だが、本書全体の構成や文書は余り好きになれないが、その中でバルトーク自体の言葉は、光り輝いている。
バルトークの晩年の1940年から死亡した1945年までは、アメリカに亡命している。
しかし、病気にによりアメリカで病没したことが悲劇なのか、それとも、故国ハンガリーがナチスに侵略されたのが悲劇なのか(これは、1945年には明らかに終戦になっている)?
バルトークの言葉は、特にそれが不幸だとも思われない、何か慫慂としてその運命を受け入れているようにも思える。
逆に、著者の方が、彼の言葉とは別の価値観を勝手に作り上げてしまっているようにも思える。
本書はそのような、不思議な本であった。
バルトークの言葉には本質的であり、説得力があるが、全体の構成はそれを無理矢理壊そうとしているように思えた。