本書は
岩波文庫(ワイド)版を読む。
箴言というと、何か論理的というよりも、経験的なものから出てくるようで、哲学とか思想とかとは何か一線を引きたくなるところもあるが、まぁ、読んでみると面白い。
言葉がある意味、その内面を隠して、表面的なもの、そう、結論的なものを語るのであれば、その論理性は別にしても、結論は同じというようなことも十分にあり得る(そこが誤解のもとなのだろうけれども)
さて、この17世紀に書かれた本の中で、気になる
箴言があった。
国の中に奢侈と過度の文明化があるのは亡国の確かな前兆である。なぜならすべての個人が自分自身の利に汲々として、全体の幸福に背を向けるからである。
少し前に、大前健一氏のコラムで、日本は、一人当たりの
GDPで
シンガポールに抜かれたという記事を見た。
この
箴言がどういう意図で書かれたかは、私にはわからないが、この
箴言を解釈してしまう自分を発見してしまった。
なにやら政治などでガタガタしていると、再び別の意味で「
失われた10年」を再現してしまうような気がする。