110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ニーチェとその影(三島憲一著)

 本書は1990年未来社刊行のものに、新たに論文を付加した形で、講談社学術文庫版(1997年)で読むことができる。

 ちなみに、ニーチェを殆ど読んでいないので本書については語る資格は無いな。
 (・・・終了)

 という分けにも行かないので、感じたことを書くと。
 ニーチェというとニヒリズムという言葉を思い出してしまう。
 しかし、そういう言葉で片付けられない要素があるように思える。
 本書でも、ハーバーマスニーチェ批判があるのだが、本来この批判というのは可能なのかということを考えてしまった。
 理性、言葉などで表現できないことを表現しようとしているのがニーチェの著作ではないのかと思えてしまう。
 そこには、仏教などでいう「空」やバタイユの「非ー知」のような領域にあるのではないか。
 その著作の意味のずれに対して、ニーチェのある意味予言の的確なところを考えると、そこでは、既に言葉で語れないもの「沈黙(言葉では語れないって)」しかないのではないのかと思ってしまう。

 そろそろ、私も沈黙するしかなくなってきたようだ。