110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

鉄砲を捨てた日本人(ノエル・ペリン著)

 本書は紀伊国屋書店1984年刊行のもの、私は1991年中公文庫版を読む。

 鉄砲伝来後、戦国時代に掛けて、急速に日本の鉄砲技術は進化した。
 ところが、それが、戦国時代の終わりから、江戸時代になり、その進化した武器(銃)を捨てて、旧態的な刀の文化に後退し、それにより、平和な文明・文化を育てたという稀有な例が「日本」であると言う、とても嬉しい論調の本。
 この視点は、日本の内部からはなかなか出てこない発想であろう。
 (ちなみに、日本人は、今まで、減税を要望したことはあるが、税の不払いはした事が無い・・・という奇特な民族らしい)

 しかし、いわゆる自然主義というものを容認・実行できない様に、理想論としてではなく、それを実現・実行できない諸事情があることも事実だろう。
 なんか、国としては早急に対策を打たねばならないのに、利害関係や打算でそれを引き伸ばす様な現状と言えば「しっくり」くるのかな?