本書は
岩波文庫版で読む。
五重塔の作成に関わる十兵衛と源太の関係を描くところが素晴らしい。
一番端的なのが、社会というものの価値観と、それをある意味超越してしまう価値観というものとの対立・比較があるように思う。
この作品は今だ読まれてるのだろうが、その捕らえ方はどの様なものなのだろう?
解説にも有るように、十兵衛のエゴイズムというものだけが、前面に出てしまうのだろうか?
また本書は、現代文とは異なった、私にとって独特の文体でありながら、こんなに惹きつける文章が書けるのだと思い知らされた。
世の中は広いものだ。