110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

七つの大罪と新しい悪徳(ウンベルト・ガリベルティ著)

 本書は青土社2004年刊行のもの。

 近代そして現代と人間の存在自体が希薄になっているのではないか?
 そういう疎外感に関する思索は以前からあるが、本書は比較的最近に著されたもの。
 逆説的には、その様な著作がまだ出版される余地のあるイタリアという国は、まだ望みがあるとも言えるのかもしれない。

 さて、そういう現代社会の批判だが、本書の中で一番印象的なのは、ステーファノ・ビステーリの言葉の引用で「ガラスの向こうにはアメリカがある。地球上のどんな少年でもそれを発見するには数ヶ月しかかからない。乳離れし、判断力を身につけたかと思うともうアメリカが自分の考え方になってしまっているのだ。」

 さて、最近、アメリカは経済的に失策を犯したと思う。
 しかし、日本の政治家は、それでもアメリカに追随する意向だ。
 ここには、何か特殊な精神性を感じてしまうのだ。

 今回はいつに無く悲観的だなぁ・・・・。