110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

野生の呼び声(ジャック・ロンドン著)

 本書は新潮文庫版で読む。
 
 私は、谷口ジローという漫画家のファンなのだが、その作品に「神の犬」と「ブランカ」というのがある。
 それぞれ、犬が主人公の動物モノの漫画で、シベリアからアラスカと言う極地に近いところを、ある動機にしたがって、とにかく走るというものだ。

 そして、本作はそのルーツのひとつではないかと思える作品だ。
 不当に売り渡された、一匹の犬が、カナダの大地を走る、走る、走る。

 そこには、いろいろな主張や思想はあるのかもしれないが、とにかく走る、その一途さだけで良いのではないかと思ってしまう。
 そういう作品であった。