本書は
新潮文庫版で読む。
私は、
谷口ジローという漫画家のファンなのだが、その作品に「神の犬」と「
ブランカ」というのがある。
それぞれ、犬が主人公の動物モノの漫画で、シベリアからアラスカと言う極地に近いところを、ある動機にしたがって、とにかく走るというものだ。
そして、本作はそのルーツのひとつではないかと思える作品だ。
不当に売り渡された、一匹の犬が、カナダの大地を走る、走る、走る。
そこには、いろいろな主張や思想はあるのかもしれないが、とにかく走る、その一途さだけで良いのではないかと思ってしまう。
そういう作品であった。