110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

資本主義のパラドックス(大澤真幸著)

 本書は1991年新曜社刊行のもの、私は、ちくま学術文庫版で読む。

 資本主義という象徴的な言葉が魅力的だ。
 そこには、人間というものの因業のようなものを、解き明かしていく姿勢が伺われる。

 だめだと思っても、環境問題はなかなかすすまない。
 ダメダと思っても、財政赤字は増え続ける(・・・これは、わが国の特異性か?)。
 悪魔の所業と思っても、サブプライムローンは跋扈した。
 その影には、資本主義的な思想が影のように寄り添っている。
 それは、よーく目を凝らしてみないとわからないようなものではなく、明らかに、みんな分かっているのだけれど、何故か、身体が(その)善い方向に向かない。
 何故なのだろうと、少し考えたときに、ふと思いついた言葉がある。
 人間は社会的な動物である。

 あなたは、その因果性を信じるだろうか?
 それとも、昨日のTVで見た「30年以内に関東地方を直下型地震が襲う確率70%」の方を気にするのだろうか。