110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

平家物語(杉本秀太郎著)

 本書は1996年講談社刊行のもの、現在は講談社学術文庫で読める。

 本書は、平家物語を題材にしたエッセーということだが、平家物語の簡単な粗筋も含まれるので、原作に当たるのはちょっと・・・・という、私向けの著作である。
 平家物語は、無常の作品であるとともに、無情である。
 著者は、武士の残酷な行動に否定的だ。
 そして、この時期、仏教が画期的が深化するのも、武士の持つ両義性(残酷と日常)によるところが大きいのだろうか?

 しかし、殺戮が無ければ、それだけで良いのだろうか?
 そこに、人間の本性を見つめる必要がありそうだ。