本書は1996年
講談社刊行のもの、現在は
講談社学術文庫で読める。
本書は、
平家物語を題材にしたエッセーということだが、
平家物語の簡単な粗筋も含まれるので、原作に当たるのはちょっと・・・・という、私向けの著作である。
平家物語は、無常の作品であるとともに、無情である。
著者は、武士の残酷な行動に否定的だ。
そして、この時期、仏教が画期的が深化するのも、武士の持つ両義性(残酷と日常)によるところが大きいのだろうか?
しかし、殺戮が無ければ、それだけで良いのだろうか?
そこに、人間の本性を見つめる必要がありそうだ。