110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

新・資本論(大前研一著)

 本書は東洋経済新報社2001年刊行のもの。

 どうも最近の経済は、私の学生の頃のモノとは異なるようだ・・・という疑問を抱えていたが、本書はその点によく回答を与えてくれる。
 大前研一という著者、エコノミストは、私の好きな人なのだが、本書は読んでいてクラクラした。
 副題の「見えない経済大陸へ挑む」の指し示すように、浮遊したお金で構成された「見えない大陸」が存在するのだということだ。
 それは、うすうす判っているのだ、そして、それらは、神を殺した人間が、作り出した新しい「神の国」であるのだ(「彼岸」と書こうかなとも思ったが)。
 神の国の住人である著者が、この国のガイドをするというのが、本書の内容である。
 ただし、その手の思考としては、否定的ながらボードリヤールの方が(私的には)先鞭だと思うのだが、如何なものだろうか?

 さて、本書では「少年ジャンプ世代」の私、そして、日本を停滞させている原因である世代の私は、どうして、この新しい経済システムに対応していけば良いのだろうか?

 そう、本ブログの全体的な基調のように、日本化、保守化に行くのしかないのだろう。
 山本夏彦氏にならって言えば、私は、既に死んでいる世代の一員なのだ。

 ちなみに、本書の題名「新・資本論」は何とかして欲しい、これでは「日本人はばかです」と自分で宣言しているように思うのだ「The Invisible Continent」で良いではないか。
 
 ちなみに「見えない大陸」の追求はまだ終わらないのだ。