110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

石橋湛山評論集

 本書は岩波文庫版(1984年初版)のもの。

 石橋湛山の書いたものを読んでみたかった、それは、今のような閉塞感のある時代に通じる「何か」を見つけられるのではないか?・・・と思ったからだ、それは、ただの直感ではある。

 そして、こういうときに「岩波文庫」というのは良い仕事をしてくれる、どこから取り付いてよいか判らない著作の山の中から、良いところを(本書のように)選択してくれる一冊があるのだ。

 読んでみると、現在の政治上の問題に重ね合わせてもおかしくない、優れた視点が見受けられる、それが、今から90年も前の言論であることに驚かされてしまう。
 (ただし、歴史は繰り返すということではない、あくまで参考・参照である)

 今年も、選挙がある様だ、このような政治の低迷の原因はどこにあるのか?・・・言うまでもない、民主政治、普通選挙の時代ならば、選挙権・参政権のある人々(すなわち我々)にあるのだ。
 そういう思想をどこかに置き忘れてしまうのならば、「政権交代」という四字熟語で、歴史的な勝利をひとつの政党に与えてしまうことになるのだろう。

 反感される方もいるだろうが、その熱狂とファシズムの間の差は思った以上に狭いのではないのか。

 この著者はもっと取り上げられても良い人ではないかと思う。