110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

大前流心理経済学(大前研一著)

 本書は講談社2007年刊行のもの。

 日本の政治経済は、現在世界の情勢から見て特異な位置にあるように思われる。
 著者は、世界の状況から判断して、日本も、この世界的な潮流(トレンド)に乗っていかなければならないと主張している、脱特異性ということだろう。
 しかし、日本国としては、この特異な状況が好きなようだ。

 本書では「国家のIQ」という言葉が出てくる、個々の人間(国民)のIQではなく、国家としてのIQが大事だとしているが、この感覚はとても良い着眼点だと思う(ここでの例にアイスランドを上げたのはちょっと失敗だが、しかし、国の資源が少なければ頭を使うという方向性は良いと思うが)。
 個々の頭脳は優れていても、そのIQが、生産性を上げないことに向いてしまえば、大きな無駄になる。
 そういう、無駄を容認できる、懐のひろい国が現在の日本なのであろう。

 そして、もうひとつの論点は、人(人材)ということ、突出した人材が輩出すれば、国の政策や方向性すら変えることが出来るのだということ(本書では、英国サッチャー元首相やフィンランドノキアの中興の祖、ヨルマ・オリラなどが上げられている)。

 多分、今までのような、モノ(物質)ではダメなのだろう、上映中の「インセプション」の様に、アイデアが重要なのだろうなぁ・・・・・。
 
 ただ、この世の中の移り変わりには、私は、相当とまどいを覚えているのだけれども(齢相応か?)。
 (現在は、開国直後の日本の状況と余り変わりはないようだけれどもね(抽象化するとだが)、変な資産があること以外は)