110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

古典落語(興津要編)

 本書は、講談社文庫版で読む、どうも最近講談社学術文庫版で出ているようだが、きちんと確認していない。
 また、今のところ、古典落語(上下巻)を読んだまでで、実は、続、続々と続くのだ、すなわち、それほど(落語とは)奥行きの広い世界なのであろう。

 明治、大正、昭和の落語家の速記録だから、貴重な資料であるとともに、落語は単に笑い話ではないところに気がつく。
 昨今の尋常でない感動のさせ方はないのだが、それがよいところだと思うのだ、下巻の巻末にある「子別れ」では思わず感動して泣けてくるという、我ながら単純な人間性を思い知るのだ。
 そして、ここには、今は数少ない、カタカナの無い日本語の世界がある。
 それも、今は昔の物語ではある。