110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

多読術(松岡正剛著)

 本書はちくまプリマー新書版(2009年初版)で読む。

 私としては新しい本であるがこれも古本である、世の中の新陳代謝の激しさにとまどうところもあるが、まぁ、リーズナブルに私の手元に来たことは、僥倖ではある。

 著者の読書の凄まじさはどなたもご存知のところだと思うが、当然、どんな読書をしているのだろうかという疑問はわいてくる。
 そこで、本書の出番ということになる。

 本書では様々な側面から(インタビュー形式で)読書について語るのだが、私として感じたのは、読書には様々な方法があり、例えば、速読が単純に良いというわけではないこと、そして、多読することで、それぞれの本を関連付けること、すなわち、知識の構造化をすることが大事だということだ。

 今まで、本に対して受身、すなわち単純に読むことだけをしてきたが、その方法は、読書した本の内容を統合していくことで、新しい何かを創り出すことができるという、そういう機会を喪失していたことなになっていたことに気づくのだ。

 まぁ、今までの読書は初心者レベルと考え、今後は何かを生み出すための読書へと方向転化できればなぁと思う。

【蛇足】
 古本屋を巡って、古典の価値がデフレしていることに気づく、しかし、それは反面、安価に知識の収集ができることでもある。
 その状況を享受しつつも、例えば廣松渉三木清南原繁等々の書籍が100円であるという現実には、不安を感じている。