にんげんのおへそ(高峰秀子著)
本書は平成十年文芸春秋社刊行のもの、私は文春文庫版で読む。
著者が昨年亡くなられたことをテレビで知る。
そのときに、著者の経歴や、著作の一部が紹介されて、相当書ける人なのだということを知った。
そんなわけで、機会があれば読んでみたいと思っている最中、本書に出会ったというわけだ。
当初、この文章の書き方が、女優という職業から出たものかと思ったが、本書を読むと、学校には行かずとも、撮影所などで相当読書をしていたことが窺える、活字中毒でもあったのだろう。
それに加え、ご本人の魅力もあるが、数々の名士と直接に付き合われたという、その経験が相まって、このような(歯切れの良い)文体、作品が生まれてきたのだろう。
本作は文庫本の帯に「にんげん」シリーズ第二弾とあるが、著者の人間観察力が良く出ている。
私は、ご本人の養母との半生を綴った「ひとこと多い」や、自身の老いを綴った「ただ今自分と出会い中」というエッセイで、自分を観察する目、それが的確なところに興味を持った。
というわけで、他の作品も読んでみたい作者である。
しかし、著者の生存中に注目できないということは、それだけ、著作(本、著者)を選ぶ目が曇っているということかもしれないな(反省)。
著者が昨年亡くなられたことをテレビで知る。
そのときに、著者の経歴や、著作の一部が紹介されて、相当書ける人なのだということを知った。
そんなわけで、機会があれば読んでみたいと思っている最中、本書に出会ったというわけだ。
当初、この文章の書き方が、女優という職業から出たものかと思ったが、本書を読むと、学校には行かずとも、撮影所などで相当読書をしていたことが窺える、活字中毒でもあったのだろう。
それに加え、ご本人の魅力もあるが、数々の名士と直接に付き合われたという、その経験が相まって、このような(歯切れの良い)文体、作品が生まれてきたのだろう。
本作は文庫本の帯に「にんげん」シリーズ第二弾とあるが、著者の人間観察力が良く出ている。
私は、ご本人の養母との半生を綴った「ひとこと多い」や、自身の老いを綴った「ただ今自分と出会い中」というエッセイで、自分を観察する目、それが的確なところに興味を持った。
というわけで、他の作品も読んでみたい作者である。
しかし、著者の生存中に注目できないということは、それだけ、著作(本、著者)を選ぶ目が曇っているということかもしれないな(反省)。