110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

小松左京の死

 これはショックだ、あらためて人間は歳をとるものであり、死にゆくものであることを思う。
 私の読書は、星新一からはじまった、その後、日本のSFを読む様になったが、小松左京の重力圏からは逃れられない。
 私は、小松氏の代表作は一切読んでいないが、短編は結構読んだと思う。
 そして、日本沈没を皮切りに、続々と映像化される作品群を、「邪道」と若気の盲目な判断で決め付けて、敢えて、他の作家を読んだのだ。
 (半村良はそんな中の好きな作家の一人だ)
 ただし、逃れようとしても逃れられない、強力な重力を出していたのが「小松左京」であり、どこかでこの人は死なないのではないか、という神格化をしていた節はある。
 それが、さらりと逝ってしまった。
 もう残された作品と対話することしか出来ないのだ。
 
 この人の享年80は若すぎるように思う。



 とにかく、まずは、ご冥福をお祈りします。

小松左京さん死去=80歳、「日本沈没」など壮大なSF小説
時事通信 7月28日(木)15時20分配信

 「日本沈没」など壮大なスケールのSF小説で知られ、1970年の日本万国博覧会大阪万博)のプロデューサーなども務めた作家、小松左京(こまつ・さきょう、本名実=みのる)さんが26日午後4時36分、肺炎のため大阪府箕面市の病院で死去した。80歳だった。大阪市出身。葬儀は済ませた。
 京大文学部卒。経済誌記者や漫才台本作家などを経て、62年、「SFマガジン」に「易仙逃里記」が掲載されデビューした。9年がかりで執筆した近未来SF「日本沈没」を73年に発表。地殻変動で危機に直面する日本の運命をリアルに描き、日本推理作家協会賞星雲賞を受賞。上下巻合計で400万部を超える大ベストセラーに。
 同作は映画化、テレビドラマ化され、一大センセーションを巻き起こした。2006年には33年ぶりに映画のリメーク版が公開された他、作家谷甲州氏との共著で「第二部」を発表し、健在ぶりを示した。
 他に、自ら映画版の脚本、製作、総監督を手掛けた長編「さよならジュピター」や、「地には平和を」「日本アパッチ族」「復活の日」「首都喪失」(日本SF大賞)など。
 プロデューサーとしての手腕も発揮。大阪万博や85年の国際科学技術博覧会(つくば博)、90年の「国際花と緑の博覧会」などに関わった。
 今月8日に体調を崩して入院していた。