110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

曽田正人~昴・MOONの終了

個人的に、曽田正人の漫画が好みだ、それが、つい最近、昴・MOONが終わったので、そのことを書こうと思っていた。
 ところが、久しぶりに「シャカリキ」を読んでみると、思いのほかに共通点があることにきづくのだ。
 曽田正人は進化したのか?
 
 あくまで個人的なブログなので、思ったことを書くならば「シャカリキ」の方が完成度が高いように思う。
 そう「ツールドおきなわ」でのクライマックスと言い、その後の話のクールダウンと言い、最後に再び坂の町へ帰るところと言い、憎らしいほどの演出であると思う。
 それに比べると、昴は、「ローザンヌ」でクライマックスを迎え、そのピークを超えられなかったのではないかと思うのだ、そう「重力の魔女」を出すのが早すぎたのだ。
 あまりにも早く切り札を出してしまった、だから、途中で昴は人間ではなくなってしまった。
 それに対して、シャカリキの野々村輝は、今一歩のところで踏みとどまって、作品を終了した。
 もし、このあとツールドフランス編などを続けたら、必殺技まで考えなければならなかったのではないだろうか。

 そういう、人間を超える領域へ話が飛躍するのがこの作者の特徴であり、その境界線上にストーリーが行くと、とたんに面白くなるのだ。
 しかし、それを越えてしまって、神々の世界へ行けば、そこには、何ほどのリアリティもなくなり、ただただ、人間離れした話を拝聴することになる。

 だから、「CAPETA」については、原作に協力者がいる様だが、その悪しき領域に踏み込まずに、どこまで行くのかにすごく注目している。
 ただ、最近巻を読むと、ナオミが先に神の領域に行ってしまうのではないかと心配しているのだ。

 ずいぶんと批判的だが、「かめはめは」など無い、リアルな世界で頑張る曽田正人を応援していることに間違いは無い。