110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

日本人を考える(司馬遼太郎対談集)

 本書は文春文庫版で読む。
 日本人を考えるとはいっても、本書に収められた対談は昭和44年から昭和46年と今から40年以上も前の話で、当時の若者は今となっては定年という状況である。
 しかしながら、現在感がないといって本書がつまらない作品化というと決してそうではなく、対談者の豪華な顔ぶれとともに、今まで知らなかった人の中に、新しい興味を発見することもあるのだ。
 また、当時と現在と余り変わっていないところや、大きく変わってしまったところなどに、気づいたりすることもある、これは、読者の知識や思い入れが大きな要素ではあろうが。

 ちなみに、本書に収められた対談者とは、梅棹忠夫犬養道子梅原猛、向坊隆、高坂正堯、辻悟、陳舜臣富士正晴桑原武夫貝塚茂樹山口瞳今西錦司の面々、凄い、ため息が出そうだ。
 それで、今回の対談を読んで興味を持ってしまったのが、富士正晴で、調べると意外にも古書でも値段がついている。

 しかし、読んでみたい著者を一人発見した喜びは大きい。