110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

建築はじめて物語(清水慶一著)

 本書は大成建設(!)1994年発行のもの。

 大成建設が発行所という異色なところが気に入って手にする、ただし、本としては至極まっとうで楽しいものだ。
 でどころは大成建設の社内報「たいせい」に掲載されたものに大幅加筆して一冊としたもの、日本の建設のはじめてをエッセーとしてつづったもので、たとえば「近代セメント」という題目があると日本のどこで初めて「近代セメント」が使われたのかを軽妙に追求してくる。
 本書をみると、建設の生産性の向上には目をみはるものがある。
 それは、たとえば、最初の鉄道トンネルは明治四年、長さは約60mで川のしたを通っている!ということと「笹子トンネル」を比べてみれば良いだろう(青函トンネルの方がそれらしいか?)。

 冬の寒さのなかでほっとする読書である。