110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

社会を変えるには(小熊英二著)

 本書は講談社現代新書版、新書大賞2013の第一位だそうだ。

 小熊英二という人は一目置かざるを得ない人材であり、未読のものも含めて今後読んでいきたい著者だ。
 遅ればせながら本書のあとがきにて、2009年に意識不明になり入院したと知りその才能が失われたかもしれないという(その)可能性にぞっとしたものだ。

 内容は、表題の如く今の社会を変えるにはどうすれば良いかを説くと共に行動することの必要性を訴えている。
 そして、ひとつの視点ではなく多数の視点、反対意見をやりこめるのではなく対話が必要だということ、さらに現在の世の中が再帰的な構造になっており、現在の問題点も時間と共に変化し続けていくものだということに注意を払わねばならないことが示される。

 それにしても、新書で500ページ超の本を出す講談社やこういう本が新書大賞になるというその状況は「悪くない」と思うがいかが?