110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

宮城谷昌光に惹かれる

 最近、宮城谷昌光の中国ものの著作をよく読む。

 歴史小説とも意外とに読みづらいものもある。
 それは基本的な史料に忠実な立場を貫こうとする作者の意志なのだろうけれども、中国の歴史や当時の習俗に疎い私などには読んでいてつらい場合ことがある。
 ところが、宮城谷氏の作品は、私のような素人にもわかるように、難しそうなところはやさしく解説がつけられている。
 だからすいすいと読めるのだが、氏の作品には難解な漢字が多数使われていることも特徴だとすると、これは作者の(魔)術にはまってしまったと言うほかはないのだろう。

 今は「晏子」を読んでいる。
 たとえば、司馬遷史記(翻訳本)を読めば晏子についての史料を読む時間そのものは短いだろう。
 しかし、一言一言注釈を読みつつ頭を痛めて読書をするのならば、時間が掛かっても、千頁以上あっても、楽しく読書をしたいという軟弱な考えに変わってきたのだ。