110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

管中(宮城谷昌光著)

 本書は文春文庫版で読む。

 この著者の作品を読んだのは久しぶりであった。

 本作は、管中を書きつつも鮑叔を著すというところがとてもおもしろい。
 管中という人物は後世に残る逸材であるのだが、本人の力だけではその地位を得られなかったはずだ、そこに鮑叔という媒介者が必要になる。
 それでは、鮑叔は管中に代わることができたのかというとそうではない。
 ありきたりの言葉だが適材適所ということになる。

 そういう希代の人物が輩出されたことを、簡単に解決するなら「天命」みたいなことを書けば良いのだろうがそれではどうもしっくりこない。
 他人のことをすべて知り尽くすことはできないが、自分よりは他人の方が客観的に見れるだろう。
 自分は可愛いから色眼鏡で見るが他人様にはそれがないということだろう。
 そして、人間は物事の一面しか見れないようにできているらしい。
 だから、最善の策とは、うまいことできる(他)人を見つけ出して、いかにその問題に取り組ませるのかということなのだろう。

 ただし、それは実に難しいことなんだよね。

 また選挙の季節がくる。
 本件、みんな痛感していることなのではないだろうか?