110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

岩波文庫の楽しみ

 最近、近くのBookOff岩波文庫のカバーの無い奴が108円でたくさん出た、これを機縁といろいろ買ったのだが、これがなかなか様々な楽しみができておもしろい。

 一例として、ベルクソンの「思想と動くもの」という表題でたしか1冊で出ていたものがあるのだが、これが3分冊になって、それぞれ「哲学入門・変化の知覚」「哲学的直感」「哲学の方法」と表題され、副題に「思想と動くもの」となって発行されていたのだ。
 合わせると300頁になるのだが、哲学の細かい文章を一騎に300頁は私にはきついので、100頁の3分冊はありがたい。
 100頁程度なら頑張って読むぞという気になったりするのだ。
 また、読書記録もつけているので、これで3冊読了となり精神安静上も好ましい。
 そういえば、昔の講談社学術文庫(500番以下)もそういう傾向があったけれども、新しく刊行されたものはそういうことはないな。
 もとより読書すること自体が変わってきたのだろうから仕方ないことなんだろうね。

 閑話休題、話は岩波文庫へと戻る。
 岩波文庫って変な本が多いよね、ここ最近買ったもので未読のものを上げると、魔女(上下):ミシュレ塵劫記吉田光由、サイキス・タスク(俗信と社会制度):フレイザー、歌舞音楽略史:小中村清矩述・・・まだあるけど、もうよいかな?
 108円ということは、このように聞いたことも見たこともなくて不人気で、詰まるところこの棚に来たという強者たちだ。
 だから、帯に「名作」とでも書いてあれば題名も作者も関係なく買ってみる、本当に名作かもしれないしね。
 そういうことで6月の読書は岩波文庫を結構読んだ。
 少し前に書いた「ヒトーパデーシャ(処世の教え)」も岩波文庫版だった。

 本には時節があるものだが、時代を超越している岩波文庫を最近見直している。
 ある意味最高かもしれないね。

 ※「塵劫記」って江戸時代から明治にかけて刊行された和算の書だったんだって知ってた?
 現代とは言葉尻が違うので読みづらいだろうね、楽しみでもあるけどね!