110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

備忘録3

 会社の寿命30年なんて説もあったが結構感慨深いものだ。
 いつの日かMSがどうかなってしまうなんてことはないだろうな?
 可能性はゼロではないな。

時価総額13兆円が幻に 米ヤフーの栄光と衰退、22年の歴史
Forbes JAPAN 7月27日(水)17時30分配信

最盛期のヤフーは時価総額が1,250億ドル(約13兆円)を超え、今日のフェイスブックやグーグルに匹敵するインターネット業界の巨人だった。そのヤフーは7月25日、中核事業をベライゾンに48億ドル(約5,100億円)で売却すると発表した。シリコンバレーを象徴する企業の一つが、その歴史に終止符を打つことになる。
ヤフーの事業は、昨年ベライゾンが44億ドルで買収したAOLに統合される予定だ。ベライゾンが業績不振に陥った大手ポータルサイト2社を総額100億ドル近くで買収した狙いは、1億4,000万人のユーザーに向けてモバイルコンテンツを強化することと、広告テクノロジーを手中に収めて広告収益を増加することだ。
「中核事業の売却は、ヤフーが保有するアジア株式の分離と、ヤフーの事業再編を加速させる重要な一歩となる。ヤフーの買収に興味を示した数多くの企業の中で、我々が創出した価値を最も高く評価し、一緒になることで我々のユーザーや広告主、パートナーにこれまで以上のメリットを提供できることを示してくれたのがベライゾンだった」と同社CEOのマリッサ・メイヤーは語った。

変化に乗り遅れた巨人、ヤフー
ヤフーが凋落した最大の要因は、シリコンバレーで圧倒的なリーダーとしての地位を築きながら、検索やソーシャル、モバイルなどの新たなテクノロジーの波に乗ることができなかったことだ。
今でも何億人ものユーザーがヤフー上でニュースや天気予報、メール、ゲームなどを利用しているが、ビジネスモデルは10年前から何も変わっていない。それでもPC時代には優位性を保つことができていたが、スマートフォンアプリの時代が到来してユーザー離れが加速した。
ヤフーの起源は、1994年に当時スタンフォード大学の学生だった同社共同創業者のジェリー・ヤンとデビッド・ファイロが立ち上げた「Jerry and David’s Guide to the World Wide Web」というディレクトリサービス。人々がダイヤルアップでインターネットに接続するようになると急成長を遂げ、1996年にIPOを果たした。ドットコムバブルさなかの2000年1月には、株価は最高値となる500ドル(株式分割後換算で125ドル)を記録した。
しかし、ヤフーはポータルサービスを超える事業を生み出すことができなかった。バブル最盛期には45億ドルを投じてジオシティーズGeocities)を、57億ドルを投じてブロードキャスト・ドット・コム(Broadcast.com)を買収したが、創業間もないグーグルやフェイスブックの買収チャンスを逃したことが最後まで響いた。
今日、ヤフーの検索シェアは僅かしかなく、その後買収したSNSのタンブラー(Tumblr)はのれん代を2度に渡って減損処理するなど、買収効果を全く発揮できていない。
--{iPhone登場を境にトラフィックが減少}--
元グーグル重役のメイヤーはこの4年間ヤフーの再建に取り組んできたが、その迷走ぶりや経営判断のミスに非難が集中していた。ヤフーの業績がピークを迎えたのは初代iPhoneが発売された2008年で、それ以降は新しいサイトやアプリにユーザーを奪われ、トラフィックの減少に歯止めをかけることができなかった。
経営不振に喘いでいたヤフーがこれまで辛うじて存続できてきたのは、保有するアリババ株に負うところが大きい。ジェリー・ヤンは2005年に10億ドルを投じてアリババの株式の40%を取得した。これまでに一部を売却したが、現在の保有分の価値だけでも300億ドル以上とヤフーの中核事業の価値を大きく上回る。
2015年にヤフーは株主利益のためにアリババの持ち株を非課税でスピンオフする計画を立てたが、IRS(米内国歳入庁)の承認を得られずに断念した。それ以降、同社は数か月に渡って事業売却を模索し、買い手には様々な企業の名前が挙がっていた。今回売却する資産には、アリババやヤフージャパンの持ち株は含まれない。
専門家たちは長らくベライゾンを本命視してきたが、ビリオネアのダン・ギルバートとウォーレン・バフェットが別の入札者を支持したほか、イエローページの親会社であるYPホールディングスや投資ファンドのTPGなどもオファーを提出していた。しかし、最終的にヤフーのテクノロジーやウェブ資産を格安で手に入れたのはやはりベライゾンだった。
ベライゾンは、ヤフーを創業した頃のヤンやファイロが想像できなかったほどの勢いでネット接続者数を拡大している。インターネットの普及で急成長を遂げてきたヤフーこそ、本来その恩恵を受けるはずだが、逆にベライゾンに買収されてしまうというのは何とも皮肉な結末だ。