110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

市場・知識・自由(F.A.ハイエク著)

 本書はミネルヴァ書房1986年刊行のもの。

 副題に「自由主義の経済思想」とあるが、そもそも自由主義とは何なのだろうかという事からして簡単ではなかった。
 そして、それに関連して個人主義の定義が出てくる、これが冒頭の論文だ。
 そして、それを補完する形で、マンデヴィルやヒュームが出てくる。
 また、論文に名前は出てこないがアダム・スミスなどにも関連してくる。

 現在は「自由主義個人主義である」とここに記しても「ごもっとも」と頷かれる方も結構いらっしゃるだろう。
 でも、自由主義個人主義なのに妙に息苦しいと感じる人もあろう、私もその1人だ。
 本書を読むと、その自由主義個人主義なるもののとらえ方自体が違うのだという主張に出会う。
 そして「なるほど」と思う。

 そこで、浅はかながら考えてみると、残念ながら著者の指摘した「自由主義」は、例えば中央銀行による通貨調整が必須な現状では、実現が大変難しいのではないかという悲観的な半面と、スマホなどの情報端末により、細かい情報を素早くやりとりし共同することができるという、技術革新による実現が可能という楽観的な半面があるのではないかと思った(多少悲観的な方を支持するのだが)。

 ということで、かつてあったとされるその発想の原点を、先ほど上げた、マンデヴィルやヒュームそしてスミスに当たってみようかと思うのだ。

 まぁ、知ったからどうだと言われると心許ないが興味があるではないか。
 「蜂の寓話(マンデヴィル)」なんて、題名だけで気になるところだ!