110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

芸人たちの芸能史(永六輔著)

 本書は昭和44年番町書房より刊行のもの。
 私は、昭和50年刊行の文春文庫版で読む。

 芸能界のイメージは現在それほど悪くないがかつては非常に蔑視されていた時期もあった。
 著者がラジオやTVの草分けであることはご存知だろうが、当初ラジオもTVも海千山千のものであった事も事実で、その苦労が偲ばれる。
 いや「終わりが良いから全て良いのだ」という短絡思考する方もあろうが、終わりが良い業界というのも少なくて、志を果たせず消えて行ったものの方が多いのだ。
 そういえば、これは話が飛躍するが、かつてのVHSビデオなんてこの世を席巻しているときは無くなるとは思わなかったね?レコード盤にしても写真フィルムなんてのもそうだよね?
 本当に世の中ってやつは得体のしれないもんだ。
 油断はできないって?私はゆるゆるだけれども。

 さて、本書なんだが、昭和43年の紅白歌合戦を題材に芸能史を語るという、書いた自分もここだけ読めば何のことやら分からない本だ。
 しかし、この昭和43年の紅白歌合戦は、推定視聴率70%と書かれている。
 今の若い人から見れば、フィクションではないかと思われる世界だ。
 そう、もう歴史の秘密を明らかにしても良いだろう。
 高度経済成長したあの当時の日本を今の人が見ると嘘に見える。
 その嘘だと思われることが成長の原因だ。
 もしかすると、本当に嘘かもしれない。
 別の日本人がいて彼らが影で働いていたのだ。
 なんてね?

 やっぱり、凄い人たちなんだね。
 いろいろな意味で!