110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

最近、変な報道が多いような気がする

まずは、以下の記事をご覧いただこう。
7歳の交通事故、突出…小学入学で単独行動増加
読売新聞 9月7日(水)15時15分配信
 歩行中に交通事故に遭った死傷者を年齢別でみると、7歳が圧倒的に多いことが、公益財団法人「交通事故総合分析センター」(東京都)の調査でわかった。
 7歳は小学1~2年生の時期で、保護者と離れて行動する機会が増え、身の危険を察知できるようになるまでの時期に事故が急増しているとみられる。
 年齢別の死傷者数について同センターが今年初めて分析した。
 センターによると、昨年の歩行中の事故死傷者は、5万6962人。1歳以降増え続け、6歳は1057人、7歳が最多の1462人だった。8歳になると1104人に下がった。2011~14年についても調べたところ、7歳が最多なのは同じだった。
 7歳の事故を細かくみると、多くの傾向が判明した。

 この記事にはグラフもあり、まぁ、7歳をピークに見事なグラフが掲載されているのだが、横軸を見るとほぼ全年齢に渡っているので7歳近辺の精度は悪い。
 なので短絡的に、7歳が突出という結論を思いついたのかもしれない。
 でも、本文を読むと、7歳がピークの1462名だが、6歳も1057名、8歳も1104名とこの年齢帯が危ないことがわかる。
 例えば、8歳になると(状況判断が発達などして)700名と半分になるというような状況なら突出だが、このデータからそこまで断言するのは軽率に思う。
 また、グラフだけ見ると、60歳以降の高齢者の事故がピークは7歳と比べ半分程度と低いが、まんべんなく広がり、むしろ事故者数では多いのではないかと思われる。
 こちらの方が問題の根が深そうだが、当たり前過ぎて言及を避けたのだろうか?

 読者の興味を引くこと、自分の記事を読んでもらうことは営利である以上理解はするが、きちんと整理して問題点を提示することも新聞としては重要なことだと思うのだが、いかが。
 統計処理の難しさはかみしめた方が良い、99.99%除菌や乳酸菌100億個なんていう表示に、感情的に騙されないことも肝心だ。
 以前、夕張市の現況をリポートした記事がとても心に残ったが、良い記事もある反面、大新聞社がこの程度では、更に先行きが心許ない。