110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

吾輩の哲学(間宮周吉著)

 本書は文藝春秋企画出版部刊行のもの。

 文藝春秋企画出版部とは何かと思って探ると自費出版の部署らしい、ただし、完全に内々で限定出版というものと本書の様に値付けをして一般流通させるものとがあるようだ。
 私は奇しくもその1冊を古本屋で手に入れた。

 本書の題名の「吾輩」とは、夏目漱石の「吾輩は猫である」からきている、その内容から抜粋して、人間のことをちょっと考えてみようという趣向のようだ、そうそう、100年前の見解が現在にも通じるところがあるという発見もあるようだ。
 結論からいうと、本書は面白い。
 確かに全体の構成としては冗長な感じもするが、目の付け所がすばらしい、普通に文庫本かなんかで出しても良さそうな気がした。
 帯には、こう書いてある「贅沢は無能の結果だ」これはいささか分かりにくい言葉なのだが、相当飛躍して環境問題に照らし合わせれば「ぐう」の音もない。
 まぁ、ひとつだけわかりやすいのを上げると「人間というものは時間を潰すために強いて口を運動させて、可笑しくもない事を笑ったり、面白くもない事を嬉しがったりする外に能もないものだ」
 確かにそのとおり。
 で、早速買ってしまった「吾輩は猫である」、贅沢は無能の結果だ・・・がこれぐらいは勘弁して欲しいな。