110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

貧困について

 原田朱美さんという朝日新聞東京社会部の記者がいます。
 以下のような題名で(いわゆる)相対的な貧困について、絶対的な貧困ではないのだが生活が以下に苦しいのかを喚起しようとしています。
 読んだ方もいらっしゃるでしょう。
・月17万円でも苦しい…「理想の貧困」の誤解、家計簿でくつがえす
・支援される資格って?「理想の貧困」頑張れない理由も知って欲しい
・支援される資格って?「理想の貧困」頑張れない理由も知って欲しい
・「理想の貧困」支援者からも求められ…スマホ持つ子は「うわずみ」?
・「理想の貧困」に苦しむ…リアル当事者 スマホもライブもダメなの?

 読んで思ったのですが、彼らの立場は、現在50台の私の子供時代ならば普通なんですよね。
 いや、スマホもゲームもないので、もっとひどい状況でしたね。
 大学進学できない人は、結構当たり前でしたし、さすがに高校進学できなかった人は少なかったと思いますので、感慨深かったと思います。
 まぁ、そんなのことは「時代が違うのだから」と一蹴されるのが、今なら妥当でしょう「また説教か」なんてね。
 未だに「俺たちにはバブルがなかったから」などと言って、不幸だと思い込んでいる、私からすれば若い人たちの発言が目に付くのはいささか不審に思うのですよね。

 話は戻りますが、上の記事を読んでいて思ったのですが、その「貧困」という概念を他人の評価をあてにしてしまう人や家庭が増えたということでしょうね。
 それは、社会の変化なんでしょう。
 情報が行き渡ると、その貧困というキーワードでいろいろな情報が入ってきます。
 下手にスマホなんか普及すると、どうでも良い情報(たとえば新聞記事)を読んで「私は貧乏なんだ」と思い込んでしまう人も出てくるのでしょうね。
 でも、お金が無くても「幸せ」な人や家庭もあると思うのですよね。
 上の記事で言えば「月17万円」もあれば、上手くやれば結構素敵に暮らせると思うのですよね。
 ただし、あれが欲しいとかこれがないといけないとかで、実際の生活費を削ったらだめですけれどね。
 原田さんに言って欲しかったのは、17万円という量としての金額ではなく、17万円あっても貧困と思う、その金額や量ではなくて「精神の貧困」が蔓延する社会状況にあるということなのではないでしょうか?
 すべて、お金に換算してしまえば、それは寂しいことですよね、それなら、30万円もらっても貧困というのはありえるでしょう。

 突然変な話をすると、現在の状況では必ずしもよい国とは思えない「北朝鮮」ですが、彼らの核開発の経緯をみると、苦節数十年という時間を掛けてここまできているのですよね。
 GDPの話をすれば、日本から比べれば、絶対的貧困かもしれませんけれども、彼らは、あそこまで持っていったんですよね。
 彼らのデモンストレーションは、歓迎されるものではないのですが、絶対的なリソースが少ない状況からの対応として参考にはなりますよね。
 なりませんか?