110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

過剰介護・入居者囲い込みに批判も

以下の記事ですが、私の見解と異なるので上げてみました。

 (1)「毎月10万円を支払えるサ高住の入居者を例に挙げる。家賃は9万円、介護サービスの自己負担が1万円で、計10万円。これとは別に保険財政から事業所に9万円が支払われている。」
とありまして、
 (2)「一方、家賃を月1万円値下げして8万円、介護サービスの自己負担を2万円に増やして、計10万円にするとどうなるだろうか。介護事業所は、利用者の自己負担に加え、保険から18万円を得ることができる。」
とあります。
 あたかも自在に介護サービスの自己負担を上げられるようですが、これには介護認定がからんでいて、例えば、2万円払えるにしても、要介護1の人は、たしか総額11万くらいまでしか補助出ません(被保険者の負担がこのうちの1割)、だから、該当するのは、そのうちの1万円程度で、残りは実費になります、だから、要介護度が上がらないで(1)から(2)に移行すると業者側は損になりますし、多分、サービスの質も下がります。
 そうすると、なんらかの形で、要介護度を上げるのでしょうか?
 ちなみに、この要介護度の審査は基本的に業者側の介入は無理だと思います。
 官民の癒着すれば出来そうですが、あまりお役人にはメリットがありそうにも思えません、基本的に役所側は今でも負担金額を減らそうとしているはずです。
 そうすると、ケアマネさんが当人や家族と相談して、より要介護度が悪くなるように、不自由な演技をしたり、わざと転んでもらって寝たきりになったりと、ご当人にとっても楽しくないことをやらねばなりますまい。
 実際、お役所も、今は多少財政的に良いところがあるかもしれませんが、そのうち、無い袖は触れないという立場になってくると思いますので、この話はどうかなぁと思います(長続きはできないでしょうね)。
 
「一人で着替えられるのに…介助サービス使わされた」過剰介護・入居者囲い込みに批判も
11/7(火) 12:11配信 読売新聞(ヨミドクター)
 年をとり自宅での一人暮らしが難しくなった人にとって、賃貸のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、住み替えの有力な選択肢だ。サ高住の多くは、敷地内や近隣に訪問介護などの事業所があり、入居者の安心感は高い。だが、一部のサ高住が、過剰な介護を提供しているという批判もある。介護保険の費用増大が課題となる中、厚生労働省社会保障審議会分科会では、是正に向けた議論が進められている。
 「併設の介護事業所を必ず利用するよう求められた」「一人で着替えられるのに、介助サービスを使わされた」――。サ高住の事業者団体「一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会」(東京)には、入居者や家族から、こうした相談が寄せられている。
 サ高住では、介護が必要な入居者は、個別に介護事業所を選んで契約し、ヘルパーに来てもらう訪問介護や、デイサービス(通所介護)などを利用する。
敷地内や近隣で、関連会社などが事業所や診療所を運営
 だが、サ高住の敷地内や近隣で、関連会社などが介護事業所や診療所を運営しているケースも多い。介護サービスの計画書を作るケアマネジャーの事業所を併設しているサ高住もある。そのため、入居者は併設事業所を選択しがちで、入居者の囲い込みにつながりかねない。
 併設事業所の中には、過剰な介護を提供するケースもあるとされる。
 介護サービスには介護保険が適用され、事業所には報酬が支払われる。報酬は原則、1割を高齢者本人が負担し、9割は介護保険財政が支出する。
 毎月10万円を支払えるサ高住の入居者を例に挙げる。家賃は9万円、介護サービスの自己負担が1万円で、計10万円。これとは別に保険財政から事業所に9万円が支払われている。
 一方、家賃を月1万円値下げして8万円、介護サービスの自己負担を2万円に増やして、計10万円にするとどうなるだろうか。介護事業所は、利用者の自己負担に加え、保険から18万円を得ることができる。
 同協会の向井幸一副会長は、「一部のサ高住が安い家賃で入居者を集め、介護サービスを過剰に提供してもうけている」と認める。
 こうした実態をうかがわせる調査もある。大阪府が2016年末に公表した報告書では、サ高住の入居者(要介護1~5)は、介護保険の支給限度額の平均7~9割程度を使っていた。
 支給限度額は、原則1割の自己負担で介護を受けられる1か月あたりの上限額だ。要介護3なら月約27万円などと、要介護度別に介護保険法に基づき定められている。厚労省によると、普通のアパートや一戸建てなどで暮らす高齢者(要介護1~5)の場合、支給限度額の4~6割ほどを使うケースが一般的だ。
 限度額いっぱいまで介護サービスを利用しても、違法ではない。しかし、必要性の低いサービスを使うことは、主に保険料と税金で運営されている介護保険の財政に、大きな影響を与える。
業界の適正化目指す
 囲い込みや過剰介護への対策として、厚労省は、サ高住などを対象にした介護報酬の減算制度を設けている。併設事業所が訪問介護を提供する場合、報酬が1割カットされる。
 9月に行われた社会保障審議会分科会で、サ高住などの団体で作る「高齢者住まい事業者団体連合会」は、「不適正なビジネスモデルの存在は極めて遺憾」との考えを示した。その上で、防止策として、入居者の訪問介護通所介護の利用回数に上限を設けることを提案。連合会の市原俊男代表幹事は「業界として適正化に向け努力していきたい」と話した。
 もちろん、入居者を第一に考えるサ高住も多い。宇都宮市の「サンフレンズ宇都宮」は、介護事業所を併設していない。スタッフの一人は「入居者が介護サービスを自由に選択できることが大切」と話す。(板垣茂良)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
 2011年に施行された改正高齢者住まい法に基づく賃貸住宅。入居対象は原則60歳以上。バリアフリーで、部屋の広さは原則25平方メートル以上と定められている。スタッフによる見守りサービスがある。入居費は全国平均で月約10万円。介護事業者や医療法人などが運営し、国が建設費などを補助している。16年度末で全国に約21万戸ある。