110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

日本国の研究(猪瀬直樹著)

 本書は1997年文藝春秋社刊行のもの、私は1999年初版の文春文庫版で読む。
 おまけに、「続日本国の研究」1999年同社刊行のもの、私は、2002年初版の文春文庫版を読む。
 さらに、「国家の罠佐藤優著)」これは2005年新潮社刊行のもの、私は、2007年初版の新潮文庫版で読む。

 政治に関わるものは、その発生時期を過ぎると旬ではないので、そのときの事象を現在に単純に当てはめると矛盾が生ずる。
 だから、そいつを抽象化して考えるのだが、それは簡単なことではない。

 ここで上げた3作は、丁度、20世紀と21世紀の間でおなじ時代を共有した作品である。
 猪瀬氏はこの作中で鈴木宗男氏に言及し、佐藤優も同じく鈴木宗男氏に言及(擁護か)している。
 その見方は、対照的であり、正義論上の対立の形にもなるのだが、結論としてはどちらも正しいとも言えるのだ。
 (おいおい)

 そして、そのどちらの状況からも現在と言う「時」につながっている。
 今、若い人たちが生きずらいという状況が続いているならば、この本の時にもそれがあったように見えるのだ。
 その時の人たちは、それなりに年を重ねてそれらしい顔つきにかわっただろうが・・・
 
 結論として、およそ20年前と今でつきつめていくと(いったい)何が変わったのだろうか、ということが一番の問題なのだろう。
 (当時30歳代で不平を言っていた私が、今、中年から初老の歳になり糾弾される立場になったのならば、なんという因縁だろうね)