鏑木清方随筆集
本書は岩波文庫版、著者の春夏秋冬に関わる随筆を編集者(山田肇)が独自に集めたもの。
年が改まって、ふと本書を手にすると最初の稿が「一陽来復」でお正月の話で始まる、これは丁度頃合と読み始める。
本書のあった東京の四季に関わる随筆を読んでいると、今はもうない御伽噺のような感慨にうたれる。
あきらかに、昔のほうが貧しかったはずなのに、全く幸せに見えるのだ。
それは、隣の芝生を羨む、下賎な思惑なのかもしれない。
それでも、本書に書かれた言葉の内にある(その)景色は素敵なのだ。
ただし、戦争がひたと忍び寄る時期の随筆には、ひやりとした現実感が浮かび上がってくるのだが・・・
かつての東京はもう無いのだが、一度、住んでみたいものだと思わせるものがある。
年が改まって、ふと本書を手にすると最初の稿が「一陽来復」でお正月の話で始まる、これは丁度頃合と読み始める。
本書のあった東京の四季に関わる随筆を読んでいると、今はもうない御伽噺のような感慨にうたれる。
あきらかに、昔のほうが貧しかったはずなのに、全く幸せに見えるのだ。
それは、隣の芝生を羨む、下賎な思惑なのかもしれない。
それでも、本書に書かれた言葉の内にある(その)景色は素敵なのだ。
ただし、戦争がひたと忍び寄る時期の随筆には、ひやりとした現実感が浮かび上がってくるのだが・・・
かつての東京はもう無いのだが、一度、住んでみたいものだと思わせるものがある。