110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

歴史の作られ方

 学生のころは本当に勉強しなかったし、今もしていないけれども、最近の事件を見ていると、こういう風に歴史は作られるんだなと思った。

 一つは、日大と関学のアメフト問題、様々な要因が複雑にからんで、あの事件は起きたわけだけれども、傍観者である私が見ていても、事件がどう落ち着くのか本当にわからない。
 今回はマスコミの報道も伴って、もしかすると、「当該生徒」は歴史に名を残す可能性さえある(わからないけどね)。
 でも、今となっては、その事件自体は、現在の全体像と比べると、ものすごく小さな部分になってしまっていることが、一つの驚きだね。

 あとは、森友、加計学園の問題、未だ真偽は未定だが、嘘を付きとおすことは難しい、どこかに不整合が出て、それに蓋をするために、大きな時間や費用が掛かる、最初は小さな嘘だったものが、お金や時間を使ってでも「真実」にしなければならないとしたら…もちろん、それも後世の人にとっては、歴史的真実となるのだ。

 この前、TVでローマ皇帝ネロは、一般に残虐な皇帝だとされているが、つぶさに資料を精査すると、一般民衆には人気があったのではないかという説が出ていた、ただし、貴族からの評判が悪く、そのため、貴族からの目線で彼のイメージが操作されたというのだ。

 また、猪瀬直樹(おめでとうございます)の「昭和16年夏の敗戦」では、東条英機という人が、戦争の推進者のようなイメージがあるが、歴史の資料を読んでいくと違うのではないかという観点から描かれていて、歴史というものそれ自体の不安定さやあいまいさがよくわかると思うのだ。

 だから、今一つよくわからない、目の前の(アメフトや政治的疑惑)事件をつぶさに追いかければ、歴史のテストの点数は取れないかもしれないけれども、歴史ということそれ自体にに肉薄できるかもしれないね。