110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

千載一遇

鈴木宗男氏の再審認めず 弁護団「証言にシナリオ」
 受託収賄などの罪で実刑判決が確定し、服役した新党大地代表の鈴木宗男・元衆院議員(71)の再審請求で、東京地裁(家令和典裁判長)は20日、裁判のやり直しを認めない決定をした。弁護団は、検察官が証人尋問前に作成した「シナリオ」を新証拠として提出。証人が記憶に反する証言を強いられ、有罪認定の根拠になったと主張していた。
 確定判決によると、北海道開発庁長官だった1997~98年、北海道網走市の建設会社から道開発局発注の工事に関して請託を受け、現金計600万円を受領。官房副長官だった98年には、北海道帯広市の製材会社から、500万円を受け取るなどした。

 国策捜査だとされた本件も未だその残り火があったわけだ。
 そして、北方領土で進展があるかに吹聴された今回の交渉も実質は流れたとの報道がある。
 歴史に「たられば」は無いというのが正論だと思うが、あの時、何者かによって防がれなければ、北方領土のうち2島は返還されていたかもしれないし、その後に書かれた佐藤優や鈴木氏の著作を読むと、この時しか本当のチャンスはなかったのではないかと思ってしまう。

 ソ連が崩壊し、未だGDP2位の経済強国であり、佐藤優という突然変異的な外務省職員が、ロシアの中枢に肉薄していた。
 当時CIAを尻目にソ連の崩壊をいち早くつかんだ情報能力があったにもかかわらず(のちにブッシュに日本の情報収集能力を褒められたらしい)、何故か内側から交渉は崩壊した。
 現在の状況はご推察の通り、ロシアもあの崩壊後「大国」ではなくなったかもしれないが立ち直り、北方領土にも人が住み着くようになり、島には小ぎれいな街が出現している。
 たとえ「返還」が決まっても、既居住者の処遇も含めて数十年の時間が必要だとの予想がされている。

 だれも言わない(言えない)けれども、あれは、随分高くつく内輪もめだったようだ。 

 佐藤氏の話は荒唐無稽だと評する人もいるが、その中にこういうコメントがある。
 それは、温暖化が進めば北極圏の氷が解けて新しい海上のルートが出現するということだ、その時、その通行に関して領土問題とは別の(海路の)利用権の問題が浮上するということなのだ。
 あなたはこの話を馬鹿馬鹿しいと笑うだろうか?

 まぁ、たとえ現出しても今世紀後半の話だろうから、私は、それを目撃はできないと思うのだが…はたして?