110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

凧揚げの思い出

 この前ふと歩いていて思い出した事がある。
 子供の頃の凧揚げだ。
 当時は、杉並区の荻窪に住んでいたが、丁度親戚が今住んでいるあたりに居た。
 また、丁度「一回り」すなわち10歳程度年長だった事もあって、子供の私としては、とても良い「遊び相手」だったわけだ。
 当然、相手側は「無茶苦茶」大変だったと思う。
 当時の私は(子供の)知力・体力を振り絞って「全力」で立ち向かえば良いが、相手はそれを見据えて上手くいなしていく事が必要だからだ。
 獰猛な野獣に対する調教師のような立場だったろう。
 そんな中で、ふとよぎった思い出が「凧揚げ」だった。
 なんか季節感の無い話題だが・・・・

 多分正月だったと思う。
 その親戚のお家に遊びに(年始の挨拶か?)行ったとき、その家の人が、凧を作った。
 今は、そんなものも売っているし、「力学的」に揚がる凧もあるのだが、当時は「半紙」に「竹ひご」を貼って作成すると言うもので「竹ひご」を「ローソク」であぶりながら曲げて骨組みを作ると言うような感じで手作りするのだ。
 今回の凧の特長は、何故か一面「赤色」に着色されてたという事のみで、実にシンプルだった。
 まぁ、遠くから見極めやすいという事かもしれないが、子供の自分に意味はわからない。
 それが出来たので、上げに行くと言う。
 その場所が「敷地の中」なのだ・・・?
 
 ・・・これは、こういうことなのだ、
 当時、この近辺は高い建物は殆ど無かったし、電線もほとんどないので、そのお家の、屋根の上に上って、そこから凧をあげたのだ。
 それは、見事に上がって、その屋根の上から、数百メートル(数キロ先のイメージだったが、まぁそれは無いでしょう)も向こうに、その赤い凧が小さく見えたのが、記憶によみがえって来た。
 子供心としては、その「糸」を操りたいと思って手を出したと思う。
 確か、補助してもらいながら触らせてくれたと思う(操作ミスは大変なことになるかも知れないからね)。

 当時はそんな事が出来たのに、
 「あぁ、今は絶対無理だなぁ」
 と感慨にふけったのだった。