110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

アレクサンドロス大王東征記「上巻」(アッリアノス著)

 塩野七生さんの「ローマ人の物語」を読んでいると、そこで取り扱われない事(人)に興味が行くことがあります。
 ローマの歴史の中での大きな山は「カエサル」の登場ですが、その少し前の「ハンニバル」「スキピオ・アフリカーナ」(「ピュロス」もそうだったか?)と「ローマ史」に彩る人たちに「影響を及ぼした人」が出てくる、それが「アレクサンドロス大王」です。

 マケドニアの王として大国ペルシアを征服したいわゆる「軍神」と呼んで良いと思います。
 この本を読んでいくと「アレクサンドロス」という人の特長が(私なりに)浮かび上がってきます。

 それは、
 「情報を集めること」
 「陣頭に立って戦うこと」
 「戦術(アイデア)に優れること」
 「(意外と)奇襲(当時としては驚異的なスピードで進軍したからか?)が多いこと」
 「(ローマ人と比べると)残酷なこと(殺戮が多い)」
 「相手をやっつけるまであきらめないこと(持続力)」
 など、戦争の天才であることが見えてきます。

 ただし、攻め落とした後の「統治」(政治)には余り記述がありません。
 それは、それを行う前に死んでしまったからかもしれません。

 ただ、国の統治には向いていないかなと思うところが「跪拝の礼」についてのくだり(第4巻)で自らを神となす行為に対して、部下の「意見の相違」を、うまく処理できていないと見受けられる点から推察されます。
 しかしながら、この私の評価も、あくまで「今」から見た何千年も前の事象の批評であり、この本には分厚い「脚注」がついている事が指し示すように、私が当時の本当の実情を知った上で読み込んだもので無いことは事実ですね。

 話は横道にそれますが、
 歴史は(後で)振り返ってみて「見えてくる」ものではないかと思っています。
 例えば、「小泉総裁」から「安倍総裁」へバトンタッチされましたが、ここから「小泉総裁」の評価が見えてくるのだと思います。

 さて、
 そういえば、まだ「下巻」があるので、その時に見解が変わっていることを期待しつつ・・