110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ギリシャ神話(呉茂一著)

 昔は、新しく書かれた本が、良い本だと思っていた。
 古い本は利用価値がないのではないかとも思っていた。
 それは、経済とか経営とかのいわゆる「ビジネス書」を中心に読んでいたためかもしれない。
 ところが、ここ一年ぐらいは、読む嗜好(志向)が変わった。
 それは、歴史や神話であったり、哲学や宗教(思想)であったりするので、いつか著されたかは、余り関係なくなったからかもしれない。
 これは、もっと早くそういうジャンルを読んでいれば良かったと思う。
 そして、そういう「当時の良書」が、日本語に翻訳されて、なおかつ、安く入手できる。
 多少、紙が黄ばんでいようと、書き込みがあろうと、私にとっては関係ない。
 
 本書は、ギリシャ神話(ホメロスの時代の叙事詩が最後のほうで出てくる)を、まとめた本。
 とにかく、哲学書を読むと、このギリシャ神話や「イリアス」、「オデッセイア」などからの、引用が思いのほか多い。
 そういう時に、辞書代わりに使えそうな本。
 当然、読みものとしても面白かった。
 ただ、神様の系図や名前を覚えるのは、やはり苦手だ。