110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

世界が失笑”岸田国連演説「欧米人の猿真似」指摘…空気読めない首相に「後進国の仲間いりしつつある日本はどうでもいい」

news.yahoo.co.jp

この記事のように、失笑されたかどうかは、私にはわからないのだが、岸田首相の対外発言(外交)については良くわからないことが多い。

このところの物価高が、私の家にもあきらかな影響をもたらし始めたのに、未だに、賃金上昇やら景気対策やらを一緒に言い続けていることなど不思議でならない、現在の状況ならば、物価高対策・・・一点集中ではないのだろうか?。

だから、野党(立憲民主党)の言う、直接給付も視野に入れるほど物価高は深刻で、早急な対策を求めている人が多いハズなのに、なんとなくその話題に直接踏み込むことを避けている感が強い。

それは思うに、現在のウクライナ紛争が巻き起こした世界的な状態であり、日本(岸田首相)は、それを強固に支持する立場だからだ(自国がどうなろうとも)。

とある国会議員が、ウクライナ紛争時後、比較的浅い時期に「国益」を考えた方が良いと発言し、世間から批判されたが、いまとなれば、そんなことは言ってられない状況ではなかろうか?

 

(以下は、リンク切れ対策のための引用)

世界が失笑”岸田国連演説「欧米人の猿真似」指摘…空気読めない首相に「後進国の仲間いりしつつある日本はどうでもいい」
9/22(金) 9:10配信 みんかぶマガジン
 国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は、岸田首相による国連総会での演説を「本当にバランス感覚がない」とぶった切る。岸田首相が軽視し続けているグローバルサウスだが、本当に日本は今の対応を続けるべきなのか。渡瀬氏が解説するーー。

岸田の各連演説は「欧米人の猿真似」
 岸田文雄首相が今回の国連総会で疎らな聴衆に向けてウクライナ支援継続や空想的な核軍縮の取り組みに対する資金供与を約束した。G7広島サミットにおいても、岸田政権のウクライナ傾斜(=欧米リベラル勢力追従)はあまりにも度が過ぎている。欧米でもここまでのコミットメントは見られない。ゼレンスキー大統領の独善的な態度に欧米諸国内でやや支援疲れの空気が蔓延する中で、その空気を全く読まない岸田外交の異質感は一層際立っている。本当にバランス感覚がない。
 日本が西側先進国側の陣営であることを米国でアピールすることは、米国民主党関係者と欧州のリベラル勢力にとっては歓迎すべきことだ。ただし、彼らの腹の内は、日本がウクライナに対して軍事的支援を実際には行わないこともあり、極東アジアの中堅国家が欧米人の猿真似をしているようにしか見ていない。地政学的な観点、経済的な観点、そして相互防衛の観点から見ても、岸田政権が望むように欧州諸国が台湾有事の際に日本・台湾側に立って中国に敵対するようなことは決してあり得ない。
 欧州諸国の要はドイツ・フランスである。

後進国の仲間いりしつつある日本などどうでもいい
 ドイツは今年6月にドイツ初の国家安全保障戦略を発表したが、中国の脅威に触れつつも、台湾海峡については一言も触れなかった。ドイツは今年7月まで対中国戦略の発表を遅らせ続けてきたが、それは第7回独中政府間協議のための李強訪独に配慮したからだ。この協議ではディリスキリングはあくまで民間企業が行うものとし、両国の政治的融和が演出されたのだった。その後に発表された対中国戦略では、一部インド太平洋地域での軍事的プレゼンスの拡大が述べられたが腰が引けた内容だ。また、ドイツとポーランドは今年6月までドルジバパイプライン経由でロシアのエネルギーを輸入しており、6月以降も第三国のエネルギーをロシア経由で輸入している。他国にウクライナ支援を求める以前の問題だ。自国の利益に対しては、徹底した対応をしているのだ。
 フランスのマクロン大統領も中国に対しては更に及び腰の対応であり、NATOの東京連絡事務所の開設すら反対した。外交筋によると、最近起きていたフランス国内のデモがロシアの工作であると噂される中、それを中国に止めてもらうために明確な対応が必要だったことも理由の一つであったという話すら漏れてくる。ただ、フランスが日本の協力に恩義を感じているならば、その程度のことは認めるべきことだ。しかし結局、全会一致を原則とするNATOでは東京連絡事務所の設置を延期検討事項となった。更に、マクロン大統領は今年4月には訪中後に「私たちが一緒にやれることは幅広い。フランスと中国の友情万歳!」と自らのSNSに中国語で投稿している。欧州の安全保障のために多少なりとも貢献する日本に対して信じ難い扱いだ。少子高齢化、さらに経済力でもすでに後進国の仲間入りをしつつある日本との関係などどうでも良いのだろう。

日本はグローバルサウスからの信頼を自ら失いつつある
 イギリスは独仏両国よりもマシな態度であり、EUから抜けたことで意思決定の自由度も増えた。しかし、当然であるが、欧州の意思決定に関与できる余地は減少しており、なおかつ中国が持つ巨額の金融資本の魅力から金融街であるシティが逃れられるはずもない。
 したがって、岸田政権の欧米リベラル外交は表面上は歓迎されているように見られるのとは裏腹に、実際には全く成果を上げていないと言える。外務省お得意の見た目だけの友好関係が進展している演出だ。
 このように欧米リベラルに追従することによって、日本はグローバルサウスからの信頼を自ら失いつつある。グローバルサウスはウクライナ問題など本音ではどうでも良いと考えている。むしろ、エネルギー価格・食料価格の高騰原因であり、どのような形でも早く終わってほしいと考えている。それどころか、意外かもしれないが、ロシア人は白人でありながら、ロシアがアジア地域にも跨る多民族国家であることから差別意識が薄く、歴史的にもグローバルサウスの近代化にも貢献した経緯もあり、非欧米諸国からは意外と好かれている面もある。

グローバルサウスが嫌う人権・ジェンダーなどの西側価値観
 グローバルサウスの国々は、欧米諸国が押し付けてくるリベラルな価値観は、自国の安定を揺るがすものであり実は望んでいない。欧州諸国が標榜する人権・ジェンダーなどの価値観は、グローバルサウスの国々には早すぎるか、もしくは根本的に合わない類のイデオロギーだ。
 グローバルサウスが持つ欧米のリベラル外交への不満を意に介さず、岸田首相はリベラルな傾向が強い上川陽子外務大臣を任命した。岸田首相も上川大臣も「大臣が女性であること」を強調していたが、これは国際的な文脈では「フェミニスト外交」を展開することを意味する。直近の外交デビューであった訪米でも「女性・平和・安全保障(WPS)フォーカルポイント・ネットワーク・ハイレベル・サイドイベント」に出席して拍手喝采を受けた。
 フェミニスト外交とは、従来までの軍事や経済関係に関する外交だけでなく、女性の感性を生かして人権や福祉、特にジェンダー平等などを謳う外交手段だ。岸田政権は、人権団体の要望通りに今年5月にODAの実施原則を見直し、『ジェンダー主流化を含むインクルーシブな社会促進・公正性の確保』の原則」を入れたが、それを本気で歓迎するグローバルサウスの国がどれだけあるだろうか。日本とグローバルサウスの国々の政治的な隙間風が新たに生まれるだけだ。

何がしたいんだ岸田は…
 一方、そのような欧米のリベラル風の政治圧力が伴わない中国・ロシア側に与する国々は実は増加している。BRICsの参加国は著しい拡大傾向を示しており、既に約20か国が公式に加盟申請し、さらに20か国以上が参加に関心を示している。また、ロシアの厳しい情勢下にも関わらず、9月のG20 の裏側で行われたウラジオストクの東方経済フォーラムには、中国、インド、ベトナムカザフスタンラオスミャンマーシンガポール、フィリピン、北朝鮮ベラルーシ、といった国々が参加している。中長期的に見れば力をつけるグローバルサウスの国々は、欧米に必ずしも歩調を合わせているとは言えない。
 岸田政権が進める外交政策のように、過剰にウクライナ支援に傾斜しても、日本は欧米諸国からは安全保障上の確かな見返りを得ることは決してできない。また、欧米のリベラルな価値観を丸出しにしたフェミニスト外交の展開など自ら外交上の選択肢の幅を制限する愚かな行為だ。日本は単純に欧米に追従するだけでなく、自分たちにとっての真の国益とは何か、欧米にはできない外交政策とは何かをもう一度見直す必要がある。
渡瀬 裕哉