110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

言葉にのって(ジャック・デリダ著)

 これは、フランスのラジオ番組でのデリダとの対話を本にしたものなので、純粋に著作とは言えないかも知れない。
 ただ、難解というデリダの著作の中で、これはとても楽しく読むことが出来る本で、「デリダ哲学の最良の入門書」という裏表紙の紹介文も頷ける。

 この中では、「政治における虚言について」での「真実」と「嘘」についての会話と、「正義と赦し」における、「法律」に対する「刑」と、もっと私的な「罪」に対する「赦し」とについての対比に興味を持った。
 本書には、いくつかの「矛盾」や「差異」について語られており、それが解決できないまま、自分に突きつけられていく事が説かれている。
 
 デリダという人は「怖そうな人」だと思っていたが(失礼!!)、本書で親近感を持つ事が出来た。
 その意味では、嬉しい本だ。