110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

すべての道はローマに通ず[下](塩野七生著)

 ローマ人の物語(文庫版)の28巻目(単行本では10巻目になる)。
 このシリーズは、ローマ帝国のインフラについて記されており、この間では「上水道」「医療」「教育」について書かれている。
 ローマ街道を進む速度を人類が越えるのは、19世紀半ばの鉄道の発展以降であることや、(ある)上水道施設の建設費用は、当時徴収された「水道料金」の700年分に相当したなど、驚きの事実が書かれている。
 と共に、逆説的に、文明(文化?)の発展と言うのは「短期的な」目論見や、理性的な対応(教育の公営化)とは必ずしも相容れないと言う一つの「事例」であることが判った。
 さて、文庫本で読み続けた「ローマ人の物語」もここまでと思う、次回刊行を待つのが惜しい、これ以降は単行本で読もうと思う。