110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

社会学入門(見田宗介著)

 見田宗介氏については「お気に入りブログ」の「読書のあしあと」で紹介してあり、それから興味を持った。
 特に評判の高いと思われる「自我の起源」はなかなか入手できない著書であるが、そのうち、文庫化されるのではないかとひそかに期待している。

 さて、その見田氏の「社会学」の入門書であるが、多少、私には難解なところもあるが、全体的には、興味を引く題材を利用して面白く読ませてくれる。

 さて、本書の中で、『わたし(見田氏)にとっての「ほんとうに切実な問題」』という事が書いてあって、それは「人間はどう生きたらいいか」という事だと言う、そして、その問題は、2つに分かれていて、ひとつは、(人間の)死の問題と、そこから派生するニヒリズムについて、そしてもうひとつは、他者との関係についてと、されている。それぞれ、見田氏自身《死とニヒリズムの問題系》と《愛とエゴイズムの問題系》と呼んでいる。
 この《死とニヒリズムの問題系》には「時間の比較社会学」という著作が、《愛とエゴイズムの問題系》には「自我の起源」という著作が対応しているという事らしい。

 現在、自分なりに問題視していることが、本書にある《死とニヒリズムの問題系》なので、「時間の比較社会学」という著作に(まず)興味を持ってしまった。