110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

地下室の手記(ドストエフスキー著)

 この本の第一部はまさに哲学書のようだ、先日読んだ「魔女ランダ考(中村雄二郎著)」に、本作が引用されていたので「読んでみたいな」と思っていたら、偶然出てきた。
 既に読んでいたのだ・・・すっかり忘れていた。
 そういうわけで、再度読んでみる。

 本作の、ある種の「文章の重さ(暗さ)」については評価が分かれるのではなかろうか。
 そして、文庫版あとがき(解説)にあるように、ニーチェキルケゴールなどの哲学者に共通する、合理主義への批判が、確かに読み取れる。
 そして、本書の主人公の様に、本ばかり読んでいて、その世界に埋没している、私への警鐘にも読み取れる。
 少し(大いに?)、考えさせられてしまう本。