110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ヒンドゥー教史(中村元著)

 世界宗教史叢書(山川出版社)のうちの一冊、古本屋に「ポッ」とあった。
 中村元さんの著作や「東洋思想」には興味があったのだが、「そこまで踏み込むか」と躊躇しながら「ここで読まないと2度目はないなぁ」と思って買う。
 インドと言うと私などは「仏教」などと短絡的に考えるが、「ヒンドゥー」と言う言葉がいわゆる「インド」であることから(何回も「ヒンドゥー」と唱えてみるとわかる)察しても、仏教思想にもこの「ヒンドゥー教」の影響は大きい。
 また、身近なところでは(ミュージシャンの)サンタナジョン・マクラフリンの影響を受けてヒンドゥー教に入信したと思うが(今はどうなのかは、ちょっとWeb検索したが不明)そういう「イメージ」も持っている。
 さて「宗教」というと「毛嫌い」する人も多いと思うが、「哲学」なるものを考えると、どうも避けて通れないところがあると自分では思っている。
 当然、宗教は「神」の存在の元に現世があるのに対し、哲学は「自我(?)」の存在上に「超越したものを導き出すと言う「対立」はあるのだが・・・
 中村元さんの「論理の構造」を読むとこの「ヒンドゥー教」の哲学的な考え方と「プラトン」などのギリシャ哲学の比較などがたくさん出てきて大変考えさせられるのだけれど、そういう、ある種「混沌」とした中で、自分の立場を考えるという事も必要なのかなぁと思ってしまう。
 現在は、割と「善悪」をはっきりと分けてしまうという傾向が強いと思うが、その中で、多様性を認めながら存在する「ヒンドゥー教」の考え方(東洋的な思想)は、少し深入りしても良いかなと思ってしまう。
 インドでは「イスラム教」でも、「キリスト教」でも・・・・「××教」でもない人が「ヒンドゥー教」というような文章があったが「なるほど(そういう事)」と思った。(・・・ただ、この本が発刊されたのが1979年だから今は変わっているかもしれないけど)

 また、今一番注目されている「地域」でもあるわけですし・・・
 (大前研一さんが、今、アメリカで一番集客できるセミナーは「インド」についてのもの、ついで「中国」、「日本」についてはゼロという話)

 他の宗教や神を認めると言う事でキリスト教が国教になる前の「ローマ人の物語」とも通じますし、
 (そういうオチです)
 ゼロを発明した国ですし(「無」が在る)
 ラマヌジャンの国ですし・・・・!!