日本人とは何か。(山本七平著)
本書は1989年に刊行されたもの、現在は祥伝社版で読むことができる。
山本氏は独特の視点をもっていて、読んでみると驚かされることが多い著作者であると思う。
ちなみに、本書を読んでみたのには、わけがある。
以前、働き者の日本人が余暇が増えることで、本質的な時間が減るのではないか・・・という主旨のことを書いたら、江戸時代の職人は、生活費を稼ぐだけなら、毎日働く必要が無いので、わざと、遊びに行かせて散財させることで、毎日働くようにしている・・・のようなコメントを頂いた。
それで、江戸時代のことがしりたくなったのだ。
当然、本作だけで安易に判断は出来ないとところもあるだろうが、結論としては、江戸時代の後期には、貨幣経済が発達、定着しており、実際は士農工商の階級制度は崩れ、商人の時代になっていたようだ。
そういう観点からすると、想像以上に、経済的には余裕があった人がいる可能性は高いと思われる。
また、能力主義の世でもあったようなので、まさに、腕におぼえのある職人は、まさに余暇を満喫できる立場にいたかもしれない、行動範囲に制限は有ると思うが。
そういう江戸時代は、かなり高い文化レベルを持っていたようだ。
そして、日本は、明治維新後、すんなりと、欧米化、近代化していったが、その背景には、江戸時代の潜在能力の高さがある、すなわち、近代資本主義を受け入れるための、良質な土壌が、既にできあがっていたことが、その要因のひとつであるようだ。
本書を読んでいて、おもしろかったのが、日本の独特の宗教観についてで、基本的には、神道、仏教、儒教の3つのまじりあったものが基本だという。
そこに、戦国時代に、キリスト教が入ってくる。
その、キリスト教は、御存じのように、結果として禁止されるのだが、実は、その当時、個々人がどの宗教を信仰しようと自由だったというのだ、そうすると、禁止された理由は何かというと、それは、徒党を組むなどして、政治(統治)に介入してきた場合だとされている、すなわち、キリスト教が、一神教の排他的側面を表出して、例えば、他の神社や仏閣を破壊するなどの実害が出たときに、禁止や排撃の対象になったのだ。
これを読んでいて、キリスト教が国教になる前の、ローマ帝国と日本が似ていると思った、ただし、ローマ帝国は、キリスト教を追い出さず(追い出せず?)、中に取り込んでしまったのだが。
このように、本書には、まだまだ、日本そして日本人について、考えるヒントは盛りこまれている。
私は、日本人なのに、なんて日本を知らないのだろうということが、よーくわかった。
山本氏は独特の視点をもっていて、読んでみると驚かされることが多い著作者であると思う。
ちなみに、本書を読んでみたのには、わけがある。
以前、働き者の日本人が余暇が増えることで、本質的な時間が減るのではないか・・・という主旨のことを書いたら、江戸時代の職人は、生活費を稼ぐだけなら、毎日働く必要が無いので、わざと、遊びに行かせて散財させることで、毎日働くようにしている・・・のようなコメントを頂いた。
それで、江戸時代のことがしりたくなったのだ。
当然、本作だけで安易に判断は出来ないとところもあるだろうが、結論としては、江戸時代の後期には、貨幣経済が発達、定着しており、実際は士農工商の階級制度は崩れ、商人の時代になっていたようだ。
そういう観点からすると、想像以上に、経済的には余裕があった人がいる可能性は高いと思われる。
また、能力主義の世でもあったようなので、まさに、腕におぼえのある職人は、まさに余暇を満喫できる立場にいたかもしれない、行動範囲に制限は有ると思うが。
そういう江戸時代は、かなり高い文化レベルを持っていたようだ。
そして、日本は、明治維新後、すんなりと、欧米化、近代化していったが、その背景には、江戸時代の潜在能力の高さがある、すなわち、近代資本主義を受け入れるための、良質な土壌が、既にできあがっていたことが、その要因のひとつであるようだ。
本書を読んでいて、おもしろかったのが、日本の独特の宗教観についてで、基本的には、神道、仏教、儒教の3つのまじりあったものが基本だという。
そこに、戦国時代に、キリスト教が入ってくる。
その、キリスト教は、御存じのように、結果として禁止されるのだが、実は、その当時、個々人がどの宗教を信仰しようと自由だったというのだ、そうすると、禁止された理由は何かというと、それは、徒党を組むなどして、政治(統治)に介入してきた場合だとされている、すなわち、キリスト教が、一神教の排他的側面を表出して、例えば、他の神社や仏閣を破壊するなどの実害が出たときに、禁止や排撃の対象になったのだ。
これを読んでいて、キリスト教が国教になる前の、ローマ帝国と日本が似ていると思った、ただし、ローマ帝国は、キリスト教を追い出さず(追い出せず?)、中に取り込んでしまったのだが。
このように、本書には、まだまだ、日本そして日本人について、考えるヒントは盛りこまれている。
私は、日本人なのに、なんて日本を知らないのだろうということが、よーくわかった。