110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

人文学と批評の使命(E.W.サイード著)

 サイードの著作を初めて読むことになった、そして、皮肉にもこれが遺作ということらしい、2006年岩波書店刊行。
 
 この中で、自然科学、社会科学の台頭により、その立場が一般に貶められたと考えられる、人文学の位置付けを再度検討する。
 それは、アメリカという社会の中での、人文学、ひいては知識人は、どういう状況なのか、どういう位置にいるのが望ましいのかが、描かれている。
 そして、本書では、グローバリズムという思想(イデオロギー)に対する、解釈、そして批判をしているように思う。

 今まで、思想系の書籍を読んできたが、ヨーロッパの作者が多く、つい最近、アメリカの最近の動向はどうなのかが気になっていた。
 少し、前の状況だが、アメリカの知識人における、知識人の状況を伺うことが出来た。