110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

死と歴史(フィリップ・アリエス著)

 本書は1983年みすず書房にて初版刊行のもの、手元のものは1992年第9刷。

 死についての疑問は、養老猛司氏が「自宅で死を迎える人が少なくなった」という記述を読んだ時からはじまる、それが、先日あるホームページには、ほぼ90%の人が、病院で死を迎えるという統計が出ていた。
 そこにあるコメントで印象的だったのが「自宅に死者がいるのが嫌だ」という趣旨のものだった。
 自分も死ぬべき者なのに、その状況を忘れている発言だと思ってしまった(衛生面からこう言ったという方便もあるらしいが・・・?)。
 ちなみに、死について語ることは現代ではタブーであるようだ(既に随分語ってしまったが)。
 しかし、意外に死というものが、ドラマや映画(ゲーム?)などに利用されているのはどういうわけなのだろう(ここで、死に至るまでの時間性(プロセス)というものを考えた)?
 そんな事についてもう少しコメントしようと思ったが、どうも同著者による『死を前にした人間』という大著が控えていることが判明した。
 また、回り道になるが、その本を読み終えた後に(本件)整理して考えてみたい。

 「後期高齢者」なる言葉が登場した、これも死に対する現代化(欧米化)の影響と、儒教的倫理観の喪失だと思われる(日本人の思想の変化がある)。