宮沢賢治（福島章著）

　本書は金剛出版刊行の「パトグラフィ双書」の中の一冊だったもの、現在は講談社学術文庫版で読めると思う（手元のものは1985年第1刷の1991年第5刷のもの）。
　そして、本書もリサイクル書籍だ。

　本書の特筆すべきところは「パトグラフィ」という言葉で、これは「精神医学の知識を武器として天才の創造の過程を解明してゆくことにある」と記されている。
　宮沢賢治をどう分析したかについては本書を探し出して読んでいただくことにしよう。
　また、福島氏の宮沢賢治の文学的な分析もなかなか興味深かった。

　別のコラムにも書いたが、天才と言われる芸術家は、なにがしかの狂気を帯びていることに気づいている、そして、本書ではその直感が正しかったことを知った。
　現在は随分精神を病んでいる人が増えているようだ、そうすると、何か天才的な才能を開花させる人も増えてくるのだろうか････それとも？