偶然性の精神病理(木村敏著)
本書は1994年岩波書店刊行、現在は岩波現代文庫で読める。
精神病理という題名だがあとがきにもあるように哲学的な思考が強い本。
象徴的なところではニーチェの「真理とはそれがなければある種の生物が生きられないような誤謬のことである。生きることにとっての価値が最終的な決定を下す」という引用から、生命、力への意志など、という人間が生きるということを考察していく。
それは「ある」のではなく「いる」ということであり、生成から存在へと転化することである様に思う。
そこに、犬が「いる」。
そこに、パソコンが「ある」。
生命があるもの(動物の方が妥当かな?)は、日本語では「いる」と表現するのだ。
そして、気になる言葉は「真理」に対する「誤謬」という言葉であり。
存在の中に含まれる虚偽性のことを示すのであろうか?
こうも考えられるかもしれない、「真理」とは「不動」だ、しかし、「不動」のものは無い。
しかし、人間はその不動のものを欲しがる。
そこには、誤謬がある。
もうひとつのキーワードは「リアリティ」「アクチュアリティ」という言葉、「アクチュアリティ」を喪失する時、世界が崩壊して、例えば精神分裂症(統合失調症)に陥るという。
本書では、そのような、存在論、時間論、身体論などの哲学的な話題を、精神医学の立場を通して論考している。
そういう方面に興味のある方には面白い一冊だと思う。
精神病理という題名だがあとがきにもあるように哲学的な思考が強い本。
象徴的なところではニーチェの「真理とはそれがなければある種の生物が生きられないような誤謬のことである。生きることにとっての価値が最終的な決定を下す」という引用から、生命、力への意志など、という人間が生きるということを考察していく。
それは「ある」のではなく「いる」ということであり、生成から存在へと転化することである様に思う。
そこに、犬が「いる」。
そこに、パソコンが「ある」。
生命があるもの(動物の方が妥当かな?)は、日本語では「いる」と表現するのだ。
そして、気になる言葉は「真理」に対する「誤謬」という言葉であり。
存在の中に含まれる虚偽性のことを示すのであろうか?
こうも考えられるかもしれない、「真理」とは「不動」だ、しかし、「不動」のものは無い。
しかし、人間はその不動のものを欲しがる。
そこには、誤謬がある。
もうひとつのキーワードは「リアリティ」「アクチュアリティ」という言葉、「アクチュアリティ」を喪失する時、世界が崩壊して、例えば精神分裂症(統合失調症)に陥るという。
本書では、そのような、存在論、時間論、身体論などの哲学的な話題を、精神医学の立場を通して論考している。
そういう方面に興味のある方には面白い一冊だと思う。