エロス的文明(H.マルクーゼ著)
本書は、紀伊國屋書店1958年刊行のもの、私は1969年の第7刷を読む。
フロイトの精神分析の手法を、文化や文明に適用した「モーゼと一神教」という著作があったが、本書はその考え方を、当時の(社会)状況に当てはめてみた考察した著作では無いかと思う。
人間の根本的な動向を悲観的に捉え、人間の作り上げた文化が、人間を抑圧する仕組みだという考え方が底辺にあるようだ。
この手の考え方や、人類に対する警鐘は、20世紀の前中半の著作に、よくあったテーマだったと思うし、本来悲観主義者の私にとっては、同意できる部分も多いのだ。
しかし、問題は、ただそこにあるのではなく(時間を追ってみると)現在、この手の著作が少なくなってきているように思うのだ(単純に危機感を煽る著作はあるけれども)。
どうしてなのだろう?
思想というものに対する偏見は、あるように思う。
また、わざわざ、決して読みやすいとは言えない(本書のような)本を読むという読者も減っているのかもしれない。
そして、著者も、出版される本がより大衆に受け入れられるように(やさしく)書いているように思える。
それゆえ、本書が100円という結論なのだろう。
ちなみに、本書を読んで、フロイトの思想を少し勉強しないといけないと思った(反省)。
フロイトの精神分析の手法を、文化や文明に適用した「モーゼと一神教」という著作があったが、本書はその考え方を、当時の(社会)状況に当てはめてみた考察した著作では無いかと思う。
人間の根本的な動向を悲観的に捉え、人間の作り上げた文化が、人間を抑圧する仕組みだという考え方が底辺にあるようだ。
この手の考え方や、人類に対する警鐘は、20世紀の前中半の著作に、よくあったテーマだったと思うし、本来悲観主義者の私にとっては、同意できる部分も多いのだ。
しかし、問題は、ただそこにあるのではなく(時間を追ってみると)現在、この手の著作が少なくなってきているように思うのだ(単純に危機感を煽る著作はあるけれども)。
どうしてなのだろう?
思想というものに対する偏見は、あるように思う。
また、わざわざ、決して読みやすいとは言えない(本書のような)本を読むという読者も減っているのかもしれない。
そして、著者も、出版される本がより大衆に受け入れられるように(やさしく)書いているように思える。
それゆえ、本書が100円という結論なのだろう。
ちなみに、本書を読んで、フロイトの思想を少し勉強しないといけないと思った(反省)。