110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

フェティシズムと快楽(丸山圭三郎著)

 本書は1986年紀伊國屋書店刊行のもの、20年以上前の著作。

 丸山氏の著作は比較的入手しやすいので、知らないうちに数冊読んでしまった。

 本書は、フェティシズムとあるので、文明・文化批判と思いきや、そうではないところが面白い。
 内容が、講演をベースにしているので、余り話が重くならない配慮なのだろうか、それとも時代性か?

 まさに、フェティシズムが主流になった現在としては、また、現在に生きる(棲む)人にとっては、敢えて、それを分析する必要はないと思われる方もいるのではないか。
 それは、私たちにとっての空気であり、魚にとっての水であるのだから。
 そう考えないと、現在の経済状況の説明は難しいように思う。

 そんな印象を受けた。